メール・資料作成など、ビジネスシーンで欠かせない文章作成。
コンテンツマーケティングのためにブログを書いている企業も少なくないと思います。
そこで問題なのが、誤字脱字やタイプミス。
「読み返したけど気づかなかった」
「間違った言葉を覚えていた」
など、自分で自分の文章を校正するのは大変ですし、時間がかかってしまいます。
しかし、誤字脱字やタイプミスは、ビジネスでの信頼度や記事の評価にも影響する重要なポイントです。
そんな時にオススメしたいのが「文章校正ツール」です。
作成した文章の誤字・脱字・言葉の誤用などを自動でチェックできる便利なツールです。
「文章校正ツール」には、Web上で簡単にチェックできる無料のオンラインサービスや、会員登録が必要なもの、ダウンロードして使用するタイプ、有料タイプ、プラグインなど、様々な種類があります。
ここでは、会員登録なしで手軽に校正できる無料の「文章校正ツール」をまとめてご紹介します。
特にブログなどWebコンテンツの文章作成・校正担当の方必見です。
無料文章校正ツールまとめ
オンラインサービス
Webブラウザ上で簡単にチェックができるタイプ。
ダウンロードタイプと異なり、自動でバーションアップされるため常に最新の環境での使用が可能。
しかし、入力した情報はサーバーで処理されたり、データベースに残ったりと情報漏洩の危険があるため、個人情報・社外秘・機密情報などを含む文書への使用はNGです。
ダウンロードタイプ(ソフトウェア)
ダウンロードタイプは、自分のパソコンにツールをダウンロードして使用します。
Web上で文章を処理するオンラインサービスと比べて導入の手間はあるものの、原稿内容が流出するリスクが軽減されるというメリットがあります。
特徴と使用感
《検証内容》
今回は、ツールの特徴はもちろん、実際にどのくらい校正精度に違いがあるのかを分かりやすく比較するため、全て同じ文章でチェックし、その結果画像も併せてまとめています。
検証に使用した文章と、そこから期待できる指摘内容は下記画像をご参照ください。
※シーンにもよるので必ずしも正しいわけではありません。
※画像タップで拡大表示
PRUV(プルーフ)
- 更新が頻繁で、非会員・無料会員・ビジネス会員(有料)と3種類のプランがある
- [非会員]でも辞書&オプション機能の一部が使えるが、[無料会員]では辞書作成などのカスタマイズ、[有料版]ではより細かい表記ルール・辞書作成やその他様々な機能が利用できる
- チェック結果は2箇所に表示
- 指摘箇所にカーソルを乗せると内容が表示されるが、詳細説明は一覧でされる
- 指摘箇所以外の単語・文字もカーソルを乗せると意味が表示される
- 入力された文章は一切保存されず、サイト管理者による監視もなし(機密情報NG)
《使用感》
- 指摘箇所:12
- 唯一「新年あけまして〜」や「Youtubu」の指摘あり
- 「さ入れ言葉」も判別できるが、「すいません」や他の企業名、打ち間違いなどはスルー
- 指摘箇所以外の単語の意味も確認できるので勉強になる(助詞・動詞・読みなど)
- 改善案などの詳細説明は一覧でされるので少し確認しにくいが、一覧での指摘箇所の説明が丁寧でわかりやすい
Enno
- タイポ/変換ミス/誤字脱字エラーなどのチェックが可能
- 文字制限なし
- チェック結果は2箇所に表示される(一覧と文中の指摘内容は同じ)
- 指摘箇所にカーソルを乗せると内容が表示されるため、スッキリと見やすい
- 日本語に英語など他の言語の文やソースコードを含めることも可能
- 全角句読点「,」「.」を使用する理工系文書もチェックでき、特定の業種やスタイルに依存しない
- チェックされた文章は、データベースやログに保存されず、サイト管理者も閲覧できない仕様(機密情報NG)
- エラー報告機能の活用で校正の精度アップが期待できる
《使用感》
- 指摘箇所:5
- 「さ入れ言葉」は指摘されたが、機種依存文字・固有名詞・打ち間違いなどの判断は甘い
- チェック結果は見やすいが、指摘箇所が少なく、広告が多い
プレスリリース校正ツール(valuepress)
- プレスリリース配信サービスの「バリュープレス」が運営するサービス
- 入力ミス/言葉の誤用/分かりにくい表現などのチェックが可能
- チェック結果画面がスッキリしていて見やすい(一覧表示なし)
- 指摘部分にカーソル載せると説明が表示される
- テキスト解析API:Yahoo!デベロッパーネットワーク
《使用感》
- 指摘箇所:15
- 一覧表示はないが、元の文章とチェック結果が横並びで修正しやすい
- 指摘内容が簡潔で、広告もなし。一切無駄のないシンプルな見た目が綺麗で使いやすい
- 指摘箇所が多く、固有名詞や、言葉の誤用、打ち間違いなど基本的な修正点は指摘された
- 「Youtubu」の打ち間違い、「さ入れ言葉」「勘当」なども判定できるともっと良い
テキスト処理ツール(so-zou.jp)
- 誤字/誤用/機種依存文字/固有名詞/ら抜き言葉/分かりやすい表現などのチェックが可能
- チェック結果は、元の文章と問題点・改善内容が同時に表示されるので確認しやすい
- 問題点の一覧表示もあり、出現順・指摘区分などの並べ替えが可能
- 文章をWebサイトから読み込んで検証することも可能なので、公開中のサイトチェックにも◎(10000文字まで)
- テキスト解析API:Yahoo!デベロッパーネットワーク
《使用感》
- 指摘箇所:15
- 他と比べてチェック結果画面が雑多な印象を受けるが、問題点と改善内容が簡潔でわかりやすい
- Yahoo!デベロッパーネットワークの校正支援API使用のため、指摘箇所は「プレスリリース校正ツール」と同じ結果となった
チョイミテーナ
- 2019年にリリースされた新しいツールで更新が頻繁
- 入力ミス/誤用/わかりにくい表記などのチェックが可能
- チェック結果は一覧表示のみ
- テキストを音声に変換&ダウンロードできる機能(無料)や、音声からテキストに変換するサービス(有料)がある
- テキスト解析API:Yahoo!デベロッパーネットワーク
《使用感》
- 指摘箇所:13
- Yahoo!デベロッパーネットワークの校正支援API使用のため、指摘箇所は「プレスリリース校正ツール」と同じ
- 指摘内容の一覧が元の文章の下に表示されるため確認しにくい
- 「機種依存または拡張文字」の対象がどれかわからない、指摘内容の順番が出現順ではなくカテゴリごとにまとまっているので見比べにくいなど、操作性に難ありと感じた(まだ新しいツールなので今後に期待したい)
オンライン日本語校正補助ツール
- 誤変換/誤用/機種依存文字/固有名詞/ら抜き言葉/わかりやすい表現などのチェックが可能
- チェック結果は一覧表示のみ(出現順)
- SSL非対応
- テキスト解析API:Yahoo!デベロッパーネットワーク
《使用感》
- 指摘箇所:15
- Yahoo!デベロッパーネットワークの校正支援API使用のため、指摘箇所は「プレスリリース校正ツール」と同じ
- チェック結果が一覧のみで、入力した文章の下に表示されるため長文だと見比べや編集がしにくい
- カテゴリごとの色分けもなく、機種依存文字の対象箇所がわかりにくいなどの不便さを感じる
日本語校正サポート
- 設定カスタマイズが可能
- テキスト解析API:Yahoo!デベロッパーネットワーク
- 人気の校正ツールでしたが、2020年9月頃にUIが変わって以降、エラーが発生して使用できない状態が続いています
Tomarigi
- 青山学院大学の日本語表現法開発プロジェクトが教育支援システムとして独自に開発した校正・推敲支援ツール
- 文章構造理解支援ツール「Hinako」も無料提供されている
- PCにダウンロードして使用するため文章をネットに送信
- 動作環境:Windows 7(.NET Framework 3.5以上)
- 基本的な機能に加え、同じ助動詞の連続/若者言葉/不統一になりやすい送り仮名/当て字/長文チェックなど、細かい校正ルールのカスタマイズが可能
- 文章校正だけでなく、文字数・漢字含有数なども同時にチェックできる
- チェック結果はHTML形式で保存可能
- Macユーザーのため操作性を確認できませんでした
オススメ3選
実際に使用してみて、ツールにより得意不得意があるように感じました。
テキスト解析に「Yahoo!デベロッパーネットワークの校正支援API」を使用しているツールは、校正結果がほとんど同じだったため、Yahoo!デベロッパー使用ツールとその他のツールを併用して使うことで弱点を補えて良いのではないかと思います。
Yahoo!デベロッパー使用したツールは多いですが、個人的には画面がシンプルで操作性に優れた「プレスリリース校正ツール(valuepress)」をオススメします。
また、無料ではありませんが、「Microsoft Word」にも「スペルチェック」という文章校正機能が搭載されているため、すでにお持ちの場合はこちらもオススメです。
校正ツールを使うメリット・デメリット
無料の文章校正ツールを使用するメリット・デメリットについて。
メリット
- 自分では気づけないミスを発見できる
- 今まで知らなかった日本語の使い方を知ることができる(スキルアップにつながる)
- 時間短縮・業務の効率化につながる
デメリット
- 完璧ではない
・ツールにより得意不得意がある
・文脈を読み取ったり漢字の使い方など、細かいニュアンスには対応していない - 個人情報・社外秘など機密情報を含む文書には使えない
まとめ
無料の文章校正ツールでもかなりチェックはできるものの、完璧ではないめ、最後は目視での確認が必要です。
また、指摘内容を全て修正する必要はなく、かっちり〜ゆるめまで文体は様々ですので、ブログ・Webコンテンツ・メール配信など、目的にあわせて修正しましょう。
日本語は本当に難しいですが、こうした作業を繰り返すことで、校正スキルが向上し、文章作成の時間短縮にもつながるのではないかと思います。
「無料ツールでは物足りない」「より詳細に校正・校閲を行いたい」という場合は、有料校正ツール(文賢など)の使用をオススメします。